1.授業の目的・方法<Course objective and method>

 認知科学は,人間がどのような知識を有し,どういった心的処理を行っているかを解明しようとする学問である。本講義では,この認知科学の重要なテーマの一つである人間の“コミュニケーション”をテーマとする。人間のコミュニケーションの特徴を,認知心理学,人工知能,認知言語学,認知神経科学の各側面から詳しく解説する。授業の中で,認知心理学の模擬実験を行い,実験とはどのようなものか,体験してもらう。また,認知科学のトピックを,本を解説したり,ビデオを見てもらったりしながら紹介する。

 この授業を通して得た知識を使って,人間がどのようにコミュニケーションを行っているかに関する“仮説”を,演習の時間を設け,自ら考えてもらう。

 本科目の履修を通して獲得が期待される能力・技能は以下の通りである:人間のコミュニケーションを考える概念的な枠組みが習得でき,人間コミュニケーションのあり方を議論できる。

 

2.授業内容<Course contents>

前半:人間のコミュニケーションの概要

● 人間の情報処理の基本的な説明概念 

● 錯視

トピック:数式で説明できる錯視

● 記憶と注意

●.潜在記憶

トピック:ブランドイメージ

● 言語の脳科学(認知神経科学)

トピック:無意識を調べているビデオを見る。

● 顔の認知

トピック:第一印象,笑い,視線,姿勢

● 認知科学の研究方法 脳科学,認知心理学(実験),人工知能

演習1:仮説を考える

トピック:ディープラーニングを紹介したビデオを見る。

● 話し言葉の知覚

● 単語認知と心内辞書

● 単語認知についての経験的事実

● 単語認知過程のモデルと心内辞書のモデル

● カテゴリーの認知

 

後半:人間の効率的で効果的なコミュニケーション 

● 比喩的な概念

トピック:“フェイクニュース”を紹介したビデオを見る。

● メンタルスペースの理論

● 視点

● 情報のなわばり

● 指示表現の使い分け

● 修辞的な発話の類型と会話の公準

演習2:仮説を考える

● 隠喩文理解過程の段階モデル: 隠喩文理解過程の仮説的枠組み

● 段階モデルにおける段階性の実験的な検証

● “顕著性の不均衡”の仮説とアドホックなカテゴリー化

● 間接的発話行為として機能する文の理解とアイロニーの理解

 

3.使用教材<Teaching materials> 

 プリントを配付する。

 

4.成績評価の方法<Grading>

 演習12のレポートと期末試験の得点,および実験の参加と講義への出席にもとづいて評価する。講義の内容に関連した実験に参加していただく予定である。

 

5.成績評価の基準<Grading Criteria>

 社会情報学科標準成績評価基準に従う。

 

6.履修上の注意事項<Remarks> 

 毎回出席して,講義そのものに積極的に関わることが必要である。